先週末のラケットドックで、スイングウェイトが300以上もあるラケットを使っている10歳と12歳のジュニアプレイヤーがいました。

現状面圧も55くらいで(張上時の推測値は確実に60以上)、超ハードという状態です。

ジュニアの場合は、「~ライト」とかのモデルでスイングウェイトが軽すぎるケースが圧倒的に多いのに比べて、重すぎるケースは少ないのですが、それが二人もいたのはビックリです。

大人の男性でも間違いなく弊害が出るくらいのスイングウェイトの重さでは、身体の小さいジュニアがスムーズに振れるわけはないのですが、それでも、小さい身体で意外に何とか打てていたのは驚きです。

「二重苦」というタイトルの以前の投稿で、スイングウェイトが軽すぎる上にストリング・セッティングがハード過ぎるというありがちなケースについて書かせていただきましたが、こうした二重苦の状態では「スイングウェイトが軽くて打ち負ける」+「ストリング・セッティングがハードすぎて打ち負ける」のに対して、スイングウェイトが重すぎる場合は「ストリング・セッティングがハードすぎて打ち負ける」のを緩和してくれるので、二重苦よりまだマシと言えるかもしれません。

誰でも、重いものを操作する際は「前もって力を入れ始める」という対応になるのが普通なので、テニスの場合は、飛んでくるボールに対して足が早く止まる上に、振ったあともすぐに力が抜けないので、トータルで「ボールを打つ」という行為に取られる時間が長くなり、その分、走れる時間が短くなるのでバタバタしてしまいます。

でも、二重苦の場合は打つ度に強い打球衝撃が有るので毎回「とにかく力む」しか対策がないのに対して、重い場合は「慣れ」によって重さの負担を乗り越えられる面があるので、プレーの破綻度は低いのかもしれません。

とは言っても、スイングウェイトの重いラケットでは高い打点を避けて後ろに引き気味になったり、打ったあとの体軸のグラツキが大きかったりするので、プレー上のマイナスは避けられません。

テニスラケットを、戦う上での「武器」のように考えてしまうと間違った判断が増えるようなので、テニスラケットは戦う上での「足かせ」だと考えたほうが良いかもしれません。

武器だと思うと、それを強化する方向であれこれ工夫したりするのですが、それが迷路の入り口だったりします。

それに対して、足かせだと思えば、できるだけ負担の少ないもののほうが自由に動けることに気が付きます。

スイングウェイトの重いラケットを使っていたジュニアのお父さんの一人は「軽くなると打ち負けないか」と心配していましたが、その辺が重いラケットに傾斜した原因かもしれません。

ラケットで戦力を強化することを目指すと「もっと~のほうが」と一方通行で考えがちですが、プレイヤーの負担を軽減することを目指せば「ちょうど良い」がベストだとわかります。

それにつけても、あまり筋力が無くて身体も小さいジュニアプレイヤーは、大人と同じ広さのコートで大人と同じ重さのボールを打ち合うという、ただでさえ厳しい環境に置かれているのに、ラケットについての「正しい常識」が不足しているために、その負担が増すようなラケットを使ってプレーしているケースが多いのは大きな問題です。

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ほとんどのプレイヤーは
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